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2018年6月 研修会

 

2018年6月22日~23日に行われました、毎年恒例の愛植物設計事務所の研修旅行の様子をご紹介します。今年は、(株)空間創研の吉田昌弘先生のご案内のもと、京都の名園・寺院8箇所を2日間に渡って巡りました。


1日目

南禅院の山門で吉田先生と待ち合わせ:旅行のはじまりに記念写真



◇南禅寺~南禅院(史跡名勝)


 南禅院は、1278年に亀山上皇の離宮として造営され、庭園は、鎌倉時代の代表的な池泉庭園となっており、以来、様々な改修を経て現在の姿を成しています。作者不明となっていますが、14世紀に入り、夢窓国師の介入はあったとされています。室町時代以後の庭園と比べ、池の形状が単純で、護岸石組や立石が少なくシンプルなのが特徴です。

(株)空間創研の吉田先生による特別解説  社員の質問に答えてくださる吉田先生
 南禅院境内

 絵になる門と園路
 
池泉庭園
庭園の池

 池を囲うように走る散策路



◇金地院庭園(特別史跡名勝)


 金地院は、南禅寺の塔頭の一つで、本光国師(以心崇伝)が1569~1635年に建立した寺で、枯山水庭園の様式となっています。豪華絢爛な桃山文化の影響が濃厚で、作庭者は、確実な証拠は少ないものの、小堀遠州の作品とされています。極めて明快な鶴島・亀島の構成(庭に向かって右奥が鶴島・左奥が 亀島 其々にクロマツとビャクシンが植えられている)となっています。




丁寧に管理された園路沿い
コケ類がマット状に生育


園路内への樹木の枝の垂れ下がりを防ぐ支柱      



お昼は、南禅寺近くの 五右衛門茶屋さんにて湯豆腐をいただきました。
名物:湯豆腐定食 美味しいね、ピース


◇無鄰庵庭園(特別史跡名勝)


 無鄰庵は、明治時代の1896年に小川治兵衛氏により作庭された庭園で、池泉が中心となっていない回遊式庭園の様式となっています。山県有朋の別邸であった3つの無鄰菴のうちのひとつであるこの庭は、有朋自らが設計に関わり、小川治兵衛(植治)にとっては、作風を確立した代表作といえる庭です。

 特徴としては、庭園の背景となる山・樹林は庭園と連続し、一体化した借景となり、空間領域を大きくしていること、柔らかい地形の芝生地とせせらぎに焦点を当てたデザインとなっていることなどが挙げられます。

今回は、無鄰菴の指定管理者であり維持管理をされている『植彌加藤造園さん』より特別に二階の休憩室にご案内していただき、無鄰菴の歴史について、また、普段の説明ではなかなか聞くことのできない無鄰菴での維持管理についてお話しを伺いました。
芝生地とせせらぎに焦点を当てた庭園のデザイン
背景の山・樹林と連続した景観を成立させる庭園のデザイン

無鄰菴プログラムディレクター山田咲さんによる解説


◇銀閣寺庭園(特別史跡名勝)


 銀閣寺は、1480年頃に作庭、1615年に大幅な改修が行われ、18世紀末頃に銀沙羅、向月台が整備されたものと考えられています。改修後の庭園は、折れ曲がり、生け取り、見え隠れ、護岸石組みなどの様々な技法がみられます。

ヤブツバキやアラカシを主体とした生垣と、折れ曲がる通路により庭園と外界への隔たりを演出した「折れ曲がり」 銀沙羅を切り取った「生け取り」

池の形状や樹木の配置等により池の全体像を隠すことにより、水面の拡がりを想像させる「見え隠れ」と「護岸石組み」


1日目の庭園鑑賞はここまで。

哲学の道を散歩しながら、夕食会場の『南禅寺 順正』へと向かいます。


一日お疲れ様でした。 吉田先生と社員みんなで乾杯!

夏の京都を感じさせる懐石料理

2日目

◇天龍寺庭園(特別史跡名勝)


 天龍寺庭園は、室町時代の1345年に夢窓国師ほかによって作庭された回遊式庭園です。中国文化の強い影響がみられる滝などが特徴で、黄河上流の滝をモチーフにした伝説のある龍門瀑や、鯉が滝を登ろうとする姿に見立てたとされる鯉魚石などがみられます。

まずは、全体の地図を使って吉田先生より解説していただきました。

庭園


 天龍寺から次のお庭に行く途中、京都の広告で良く撮影される、竹林を偶然歩くことができました。



◇大河内山荘

 大河内山荘は、百人一首で著名な小倉山の南面に、時代劇俳優である大河内傳次郎(1898~1962)が、昭和6年(34歳)から64歳で逝去するまでの、30年の歳月にわたり、消えることのない美を求めて、こつこつと創りあげた庭園です。

 大河内山荘の庭園は、昭和時代の1931~1960年頃に作庭された回遊式庭園です。庭園は、嵐山が借景となっており、東と西の山並みが同時に眺められるという珍しい構図となっています。

 あいにく雨での鑑賞となりましたが、入山料金に含まれた 抹茶、お菓子をいただき休憩を挟み、お庭を巡りました。
つつじの丘を登る社長


お抹茶とお菓子でしばしの休憩
 


雨の中、2日目の午前のプログラムを終え、昼食会場へ移動。

以前、愛植で働いていた田中さんも急遽参加してくださり、一緒に『花ごころ』さんでお昼ごはんを頂きました。



◇妙心寺・退蔵院


 最後の庭園鑑賞は、妙心寺・退蔵院庭園です。

 妙心寺・退蔵院は、今から600年以上前の1404年に建立されました。

 院内には、方丈と呼ばれる本堂があり、それを取り囲むように作庭された枯山水庭園『元信の庭』と、南方の850坪に及ぶ池泉回遊式庭園『余香苑』と、異なる趣の庭園が広がっています。

吉田先生のご厚意で、専属のガイドさんを呼んでいただき、まずは、国宝:瓢鮎図について解説していただきました。

退蔵院では、日本最古の水墨画を見ることができました。

こちらは、“ひょうねんず”と読み、小さな瓢箪で大きななまずをいかに捕らえるかという問から、禅の公案(修行のための問題)を表しているそうです。


退蔵院の中からの庭園

『元信の庭』

 狩野派の絵画様式の確立者といわれる狩野元信の作であると伝えられる

一年中変わらぬ“不変の美”を求めたものとして考えられている

 

退蔵院のもうひとつの庭

『余香苑』

造園家の中根金作によって設計された庭園。方丈庭園の背景となっていた竹林が寿命を迎えて一気に枯死したため、昭和40年に新たに作庭された。

四季の彩りが美しい、昭和の名園『余香苑』


旅の終わりにも集合写真をみんなで撮りました。


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