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水元公園水産試験場跡地整備プロジェクト

★2007年CLA賞優秀賞(一般部・設計部門)受賞
★第22回都市公園コンクール 社団法人日本公園緑地協会会長賞(設計 大規模部門)受賞
★造園学会造園作品選集2008掲載


水元公園水元水産試験場は、戦後、鯉や鮒の増殖・養殖の研究や金魚の品種改良などをしてきたが、1997年5月、水産試験場としての役割が終了し港区に移転した。このプロジェクトは、都立水元公園の東端に位置する10ヘクタールの「水産試験場跡地」を水元小合溜の公大な水辺の自然と一体的につないで‘水辺の野生のいきものの観察フィールドとして改修する’ものである。
所在地: 東京都葛飾区
発注者: 東京都
規模: 95,000m2
計画・設計: 愛植物設計事務所
監理: 水元公園管理事務所
計画期間: 1997年―2005年
施工期間: 2000年―2006年

整備前と整備後
整備前(2000.02, 左)と整備後(2006.09,右)。 最も大きい養魚池のあった部分は、整備され、ヨシ、ヒメガマの優先する湿地環境となった。

計画の目標

 計画の目標は、

  1. 喪失の進む水辺在来のいきものの保護と回復
  2. 多彩な四季の水郷風景鑑賞の場
  3. 小合溜在来のいきものの生息と繁殖の観察フィールド
の具体化である。これを実現するための整備の要点は、以下の三点とした。

  1. 水辺の自然を見やすく、わかりやすく、近づきやすくつくる
  2. 水産試験場の歴史を伝える養殖池を活かす
  3. いきものによって小合溜らしさを感じさせる情景を再現する

目標を達成するための実践事項

これらの目標や要点を具体化するために特に重視したのは、‘水元らしい水郷風景の復元’であり、以下の三点は、そのために必要不可欠な事項として実践したことである。

  1. 地底堆積土の復元:
    既存の養魚池には、水草の種子が埋もれている可能性が高いため、これを新たに創出する池に戻すことによって在来植物の再生を図った。
  2. 既存植物の保護と増殖:
    エビモ、オニビシなどは、そのまま個体を移植したが、アカメヤナギは、既存の大樹から挿し穂を採り、計画的に生産したコンテナー苗として植栽し、池の骨格を形成する樹群として成林させた。
  3. 新規導入の水草の産地指定:
    新規に導入する水草は、もともと水元に生育していた種としたが、その個体の産地は、東京低地を流れる荒川と利根川水系に産するものに限定した。

協働による管理運営

 管理運営については行政と地元活動団体が協議する場として市民参加推進会議を設け、イベントなどの運営やボランティアによる植生管理作業などで協働できる仕組みをつくった。会議は整備前から設置しており、設計内容に会議の意見が多く反映されている。

全体平面図
整備平面図 zoom
オニバスとアサザ
オニバス(左)とアサザ(右)
水産試験場の歴史を伝える金魚
水産試験場の歴史を伝える金魚
対象地東側
対象地東側
イグサ浄化水路 イグサ浄化水路
水生生物展示池での環境教育
水生生物展示池での環境教育
湿地に降り立つダイサギ
湿地に降り立つダイサギ

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