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第14回 緑景観の不動産価値

(株)総合設計研究所 石井ちはる氏

緑豊かな環境は社会的なニーズとなっています。開発に伴う緑の保全については「景観緑三法」などの法整備が進められきていますが、なかなか難しいのが現状です。
緑景観評価手法の調査研究は『緑景観』が不動産として客観的に評価されることが緑の保全につながるのではないかという問題提起から始められたそうです。

具体的な調査研究は、現在の不動産鑑定においてどのように「緑景観」が評価されているのか、また、実際に団地に住んでいる居住者の緑に対する意識調査の2調査から始められました。
これらの調査結果より、経済的な緑の評価項目を抽出し、賃貸団地の家賃や分譲マンションの価格が現状解析されました。その過程で、客観的な評価方法を見出すため、文献調査により歴史的な景観評価の体系化まで行われたことには驚きました。

また、不動産事務所と協力して緑視率を算定基準に加えた不動産価格の算定式が生み出されたことは興味深いものでした。この算定式を用いて並木の植栽計画のある住宅地の不動産価格を実際にシュミレーションし、植栽計画内容の変更に至った事例の紹介では大変実用的であると思われました。

講義後の懇親会