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風景を創る植栽設計と種の保存

Landscape design for Species Conservation

平成21年2月 ランドスケープ研究 Vol.72, No.4

山本 紀久*

Norihisa YAMAMOTO*

概要

一口に植栽の設計といっても、設計を依頼された組織や設計責任者の思想や専門性、依頼されるプロジェクトの内容などによってその対応は千差万別である。ここでは、植栽設計のコンサルタント技術者として、これまでに取り組んできた具体のプロジェクトを通じて得た技術について、「植栽設計と種の保存」という主題に焦点を合わせ、その課題と対応について紹介する。ここでいう保存すべき「種」は、生物多様性の保全を目的とした、その地域の在来種と古くからその土地に導入され順化し定着してきた移入種とし、「保存」は、これらの種が植栽地に馴染み、自然条件や人との歴史的な関わりの中で永続的に存続できる状態にあるものとする。

文脈としては、
(1)「人と自然との共生を目指す植物の導入」
については、その目標を「開発と自然の両立」を前提とする「持続的な開発」であることを確認し、その要点を、国レベルで取り組む広域的な国土利用、地域や市町村単位で考える土地利用などのマクロな視点と、その具体化のための現場に則した調査や設計、技術手法の開発、推進体制の整備などのミクロな視点からの取り組みを一体的に進めるところにある。
その中での植栽設計者の関わりは「生物多様性の保全」を前提に置き、個別のプロジェクトで具体化していくことが重要で、特に「種の保存」は、「生物多様性の保全」のための大前提であり、植栽設計者は勿論のこと、開発に関わる全ての関係者が意識しなくてはならない主題であるとした。

また、
(2)種の保存と植栽設計
では、ランドスケープの専門性を、構造物などの人工物をデザインするハードランドスケープと、生命体を扱うソフトランドスケープに分け、種の保存にかかわる生態的な空間づくりには、ソフトランドスケープの専門家があたらなくてはならないことを確認。

さらに、その具体については
(3)自然の資質を見極めた展開
(4)公共緑地での戦略的な展開
(5)鍵となる発注者の意思確認
(6)不可欠となる設計者、生産者、施工者、管理者の協働
(7)「監理」による一貫性の保持 -ウォークスルー(Walk Through)による現地確認の重要性-
(8)種の識別ができる人材の育成と配置
(9)今後の展望
というタイトルでまとめている。

 

「風景を創る植栽設計と種の保存」をダウンロード

report_10_landscapedesign.pdf(248.3KB)

* 株式会社 愛植物設計事務所, *Ai-shokubutsu Landscape Planning Office Co., Ltd.