A GIS-based Analysis and Evaluation of Yatsu Landscapes for Environmental Conservation:A Case Study of Chiba City,Central Japan
平成18年3月 農村計画学会誌 Vol.24, No.4
高橋 耕一*,田野倉 直子*,趙 賢 一*,大塚 生美**
Kouichi TAKAHASHI,Naoko TANOKURA,Ken-ichi CHO*,Ikumi OHTUKA
本研究では、台地を中心とした地域で谷津が比較的多く残されていながら、市街化の圧力が谷津に迫っている千葉県千葉市において、谷津の一体的保全に向けて、生物生息環境の保全を目的とし、行政計画に早期に対応すべき手法を構築することを試みた。さらに希少動植物の確認状況と照合し、評価結果の妥当性を検証した。また、市域の緑地保全制度と重ね合わせて谷津の保全制度の課題を示した。
自然環境の評価には、生物相を把握し国や県等のレッドデータブックに記載された動植物の確認状況や生態系を特徴づける指標種等により評価する手法がある。ただし、広域的な範囲が対象になると現実的に調査の実施が困難なケースや、データの精度や整備に偏りがでることも想定される。評価にあたっては対象とする種の生息・生育の可能性やその環境の存在を見逃さないことが重要であるが、これには、自然環境の資質を客観的なデータによる評価で類型化し、生息環境を推測することで対応できる。
本研究では、千葉市域の都市近郊から農村部の様々な立地に存在する全ての谷津を対象として自然環境を分析評価するために、均質でかつ一般的に入手可能なデータでGISを用い定量的に分析評価できる景観構成要素に着目した。それらについて、評価指標を設定することで、客観的に谷津の自然環境の資質を類型化することができる分析評価手法を構築、検証することを目的としたものである。
「千葉市域の谷津の一体的保全に向けたGISによる自然環境の資質分析と評価」をダウンロード
report_05_chiba.pdf(3,244.0KB)
* 株式会社 愛植物設計事務所、** 筑波大学大学院生命環境科学研究科