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汐留シティセンター(シオサイト)植栽実施設計・監理

本計画地は、旧国鉄新橋操車場跡地最北端の最も銀座側に位置する。日比谷公園や浜離宮との緑のつながり、海風(潮風)とビル風に対する配慮、季節感やボリュームなど修景的な要点をふまえた植物種の剪定、などをコンセプトとして、緑を含めた外部空間の計画・整備を行った。竣工後も“コンセプトに基づく緑景観の熟成”を目指し、日々メンテナンスに取り組んでいる。

所在地: 東京都港区東新橋 発注者: 三井不動産、アルダニーインベストメント、松下電工 建築設計: Kevin Roche and Associates・日本設計 外構コンサルタント: 愛植物設計事務所 植栽管理:イビデングリーンテック

潮風と強風に耐える常緑性の緑を主体とし、緑量のある在来種で構成された旧駅舎前の緑

 

主要な課題

汐留という臨海地の超高層ビルに囲まれた再開発区域という環境から、以下のような主要な課題が挙げられた。

  1. 高層ビルの隙間に収斂された潮、強風への対策
  2. 超高層ビルと明治期のデザインの復元がなされた建物との景観的な整合
  3. 病害虫の発生や特異なビル周りの気象下での持続的な植物の維持

植栽設計方針

主要な課題を踏まえて、以下の植栽設計方針に基づいて計画を進めた。

  1. 緑のつながりを意識する
    計画地は、浜離宮の緑と日比谷公園の間にあり、景観的にも鳥の渡りにとっても重要な位置にある。緑のつながりを意識し、北側の昭和通り沿いには緩衝地帯を兼ねた緑量のある緑を配置する。
  2. 収斂された潮風への対策
    高層ビル棟に挟まれた際、間には人が吹き飛ばされるほどの強風が吹く。これを緩和するための植栽の要点は、

    • 風を拡散、減速させるため、風道の左右要部に樹群を配する
    • 潮風と強風に耐える常緑性の樹種を厳選する
  3. 旧駅舎と整合する植物景観
    • 復元された駅舎に見合う、時代背景を表現する植物の厳選
    • 照明に映える植物

敷地周辺の緑のつながりと敷地内で収斂される強風

強風を拡散・減速させるため緑量のある常緑樹を風道へ配置

復元された旧駅舎エントランス周りの緑

樹群とともに、季節感のある多彩な地被・草本類を導入