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立川市根川縁道調査・設計・監理

約3㎞に及ぶ根川は、段丘から染み出る湧水を集め、多摩川に清流を供給してきたが、その後の湧水の涸渇や流路改修、埋立による緑道化などによって陰鬱な緑地となっていた。このプロジェクトは、下水処理場からの恒常的な水源の供給を契機に、新たな都市計画緑道に改修したものである。

所在地: 東京都立川市柴崎町4-6 発注者: 立川市 設計者: 愛植物設計事務所 施工期間: 1992年~1994年

整備前(左):暗い樹下のコンクリート水路に井水が細々と流れる旧緑道。整備後 (右):サクラを間引き、常緑樹を除き、陽の差し込む玉石・草土手の自然の河川形態に戻す。

 

計画の要点

  1. 健全な桜を残し、他の樹木を除いて光あふれる小川を創出する
  2. 泥底の上に玉石を重ねた河床と草つきの蛇籠護岸による自然の河川構造に戻す
  3. 深・浅、細・広を組み合わせ、淵、瀬、トロ場、ワンドなどをつくり、様々な水生生物がすみつけるようにする
  4. 近隣の小川から、在来の水草やオイカワ、タモロコ、モツゴ、マブナ、ドジョウ等を移入し、いきものの生きられる風景を育む

春:青空を背景に、のびのびと枝を広げたサクラの下で、花びらの流れる河原で遊ぶ

秋:‘サクラ紅葉’と称される趣深い秋景色を移す清流

近隣の小川から在来の水草や水生生物などを移入

世代繁殖して川底に群れるオイカワ

魚とりに夢中

川底のコケをせせるカルガモ